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AED(自動体外式除細動器)について

[1]はじめに
愛・地球博に行ったとき、心臓のハートマークが書かれたAEDが
消火器と同じように、あちこちに設置してあり、何かなと思ってい
ました。救急医療についての取り組みについては、大事なことであ
り、知っているのと知らないのでは天地の差が生まれます。以下に
調べた結果を示します。


[2]心臓突然死について
日本では、毎日100人以上の人が心臓が原因で突然死されていま
す。(交通事故死より多い)この多くは心室細動という不整脈によ
って起きています。
通常心臓は「ドックン−−−−, ドックン−−−」と規則正しく動
いていますが、不整脈になると心臓は細かく「ピクピク・・・・」
と痙攣した状態(VF:心室細動)になり、全身に血液を送れなく
なります。(平成14年、高円宮さまはスカッシュ中にこの心室細
動が原因で御年47才の若さで亡くなられました。)

心臓がけいれんを起こした心室細動状態になると、心停止後4分で
脳細胞の壊死が始まり、10分後にはほとんどの場合、死に至りま
す。助かるチャンスは1分経過ごとに、10%ずつなくなります。
心室細動の予防は難しく、唯一命を救える手段は、すぐに「除細動
器(AED)」と呼ばれる機械を使って電気ショックを与えること
です。
救急車の救急隊員が患者と接触するまでに平均13分かかりますか
ら、これを待っていたのでは遅いのです。
1分以内に除細動を行うと 約9割の方が社会復帰でき、3分以内
に行うと約7割以上の方が社会復帰ができます。

心室細動状態が起きたときに除細動器(AED)があるかないかが
生命を左右します。心臓停止の70%以上が家庭で起きているとい
われますが、日本でもAEDは、人が多く集まる場所、空港やホテ
ル等の施設にも設置されるようになりました。
AEDは平成16年7月1日より一般人でも使えるようになりまし
た。一般人は講習を受ける義務はありません。
AEDは自動的に心電図をとり、電気ショックが必要か否かを自動
的に判断し、音声ガイダンスにより、操作をガイダンスします。
ワシントン大学循環器科のBardy 教授は、シアトル地域に住む小学
6年生19人を対象に行った実験では、僅か1分間の使用説明をし
ただけで、これら11歳の児童が訓練用マネキンに正しくAEDを安
全に適用できることを示しました。


[3]AED(自動体外式除細動器)
Automated External Defibrillatorの使い方(日本で使える5種類)
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(1)フィリップス製ハートスタートFR2 
  操作方法(動画デモ4分)        
      http://www.medical.philips.com/jp/products/resuscitation/products/fr2plus/fr2plus_demo_j.asp
  メーカー(Philips Medical System HeartStart FR2+)
   http://www.medical.philips.com/jp/products/resuscitation/products/hsfr2/
   http://www.fukuda.co.jp/products/aed.html
  2002世界シェアNo1◎二相性、○心電図付機種あり、150J固定、◎小児用パッド、◎新G2005

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(2)フィリップス製ハートスタートHS1
  操作方法(動画)        
      http://www.medical.philips.com/jp/products/resuscitation/products/hs1/hs1_demo_j.asp
  メーカー(Philips Medical System HeartStart HS1)
   http://www.medical.philips.com/jp/products/resuscitation/products/hs1/index.html
  ◎二相性、150J固定、◎新G2005

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(3)カルディアック・サイエンス社製カルジオライフAED-9200               
  操作方法(動画)(InternetExplorer・Windows Media Player) 
   http://www.nihonkohden.co.jp/aed/index.html
  販売店(日本光電工業)
   http://www.nihonkohden.co.jp/aed/index.html
  メーカー(Cardiac Science CardioLife)
   http://www.powerheart.com/
  ◎自動電源ON ◎コネクタ接続不要◎二相性 国内シェア多いとのこと。 △旧G2000

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(4)メドトロニック社製ライフパック500
  操作方法(動画+音声デモ)Demonstrationをクリック下さい。 
     http://a1977.g.akamai.net/7/1977/1448/v0001/webmd.download.akamai.com/1448/Medtronic/lifepak/medtroniclifepakframe1.html
  メーカー(Medtronic LIFEPAK500)
   http://www.medtronicphysiocontrol.com/products/LP500.cfm
  販売店(日本メドトロニック)
   http://www.medtronic.co.jp/business/business_emergency-response.html
  レンタル(セコム\7,140/月)
   http://www.secom.co.jp/service/medical/aed.html
  2003世界シェアNo1◎二相性 ◎200/300/360J △旧G2000 

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(5)メドトロニック社製CR Plus
  販売店(日本メドトロニック)
   http://www.medtronic-lifepak.com/aed/crplus01.html
  ◎二相性、△旧G2000

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[4]注意事項
・倒れた人の意識がなく、呼吸がなく、脈がないことを確認。
・AEDが届くまで、CPR(心肺蘇生法)を行う。(気道を確
 保し、マウストゥマウスで、息を2回吹き込み、胸部の中央を
 15回押して心臓マッサージする。)
  (但し、2005年末にでたAHAガイドライン2005では、心臓マッサージは
  30回になりました。)
・AED第一ではなく、「AED+心臓マッサージ」第一です。(AHAガイドライン2005)
・胸部がぬれている場合は、拭く。
・電極がしっかり貼り付いているか確認。コネクタ接続を確認。
・「CPRを行ってください」と音声ガイダンスがあったら、ガイ
 ダンス通り実行する。
・AEDの機種で使い方が若干異なる。
 蓋を開くと自動的に電源が入るものと、電源ボタンを押すもの。
 電極を体につけた後、コネクタを本体に差す必要のあるものと、
 はじめからつながっているもの。
・患者が蘇生しても、病院到着まで電極は貼りっぱなしにする。


[5]AED3メーカーの小児用パッドへの適用(06/06/20頃 調査)
・従来、従来、AEDは、8歳未満の児童には適用できませんでしたが、
 小児用電極パッド(1〜8歳用)が認可されました。
 但し、1歳未満には引き続き利用できません。
 (1)フィリップス社製(フクダ電子、レールダルジャパン)
    2006/4/21 FR2用の小児用電極パッド認可されました。http://www.medical.philips.com/jp/news/content/file_1098.html
    小児用電極パッド1セット¥19,000          http://www.fukuda.co.jp/products/fr2pad.html
                                                          http://www.laerdal.co.jp/document.asp?docID=21750850
    AED本体は、従来のもので、小児用パッドを新しく追加購入すればよい。
    成人用パッドと小児用パッドの使い分け(06/12/01調査)
               ┌────────┬────────┐
               │25kg未満  │ 25kg以上 │
     ┌─────────┼────────┼────────┤
     │8歳以上〜大人  │(小児用パッド)│(成人用パッド)│
     │1歳以上〜8歳未満│(小児用パッド)│(成人用パッド)│
     │0歳以上〜1歳未満│(使用せず)  │(使用せず)  │
     └─────────┴────────┴────────┘
    <参考資料>年齢別体重分布 男子 女子

    HS1は、まだ小児用電極パッドはないとのこと。(未申請)
 (2)メドトロニック社製(日本メドトロニック)
    2006/5   LIFEPAK 500B/ LIFEPAK CR Plus用の小児用電極パッドが認可された。
    (但し、認可されただけで、まだ販売体制はなし。2007の春ごろ購入できるとのこと)
 (3)カルディアック・サイエンス社製(日本光電)
    小児用パッドはなし

[6]AEDの3メーカーのAHA Guidelines 2005への対応について(06/06/21頃 調査)
 (1)フィリップス社製(フクダ電子、レールダルジャパン)
    現在出荷販売されているものは、Guidelines2000に準拠したものであり、
    申し出があれば、購入後にAHA Guidelines2005に変更可能とのこと。
    HS1の場合・・・データ収集ソフトを使って設定変更可能。音声ガイダンスの
            変更は、アメリカ工場で行わないといけないので1カ月要。
           (但し、現実には対応済みのものとの交換となるとのこと)
        FR2の場合・・・購入後、現場で、ソフトを使って、Guidelines2005に変更可能。
            別途費用要。(数万?)
                       レールダルFR2再設定法 http://www.laerdal.co.jp/document.asp?docID=21485301
    (トレーニングキットも、PCにつないで、2005に対応できる)http://www.laerdal.co.jp/binaries/AABVJBEB.pdf
     日本版のガイドラインが確定した後に、出荷時からの対応をするとのこと。
 (2)メドトロニック社製(日本メドトロニック)
    現在未対応。日本のガイドラインが確定してから決定するとのこと。
        http://www.medtronic-lifepak.com/images/lifepak_jyosai_gideline.pdf
 (3)カルディアック・サイエンス社製(日本光電)
    薬事の申請中。(2005のシーケンスへの変更と共に、他の部分も変更申請しているとのこと)
    いつ、認められるかは未定。薬事法が新しくなって認可が早くなるのか遅くなるのか不明。
    申請が認められれば、現在のAED本体をバージョンアップすることは可能。
    但し、現在のAEDトレーナを、2005にバージョンアップすることはできない。  

[7]新しいガイドライン(Guidelines for CPR&ECC 2005)
   (1)AHAガイドライン2005の原著 
   AHA Circulation Volume 112, Issue 22 Supplement; November 29, 2005   
      http://circ.ahajournals.org/content/vol112/22_suppl/
   (2)ガイドライン2005の日本語訳
      ILCOR 2005 International Consensus Conference on Cardiopulmonary Resuscitation and Emergency Cardiovascular Care 
      Science With Treatment Recommendations(CoSTR):邦訳版
      http://www.qqzaidan.jp/qqsosei/costr.htm
   (3)わが国の新しい救急蘇生ガイドライン(骨子)【BLS】確定版
    心肺蘇生委員会(2006年6月12日確定)
    http://www.qqzaidan.jp/qqsosei/guideline_BLS.htm
   (4)わが国の新しい救急蘇生ガイドライン(骨子)【ALS】最終案
    http://www.qqzaidan.jp/qqsosei/guideline_ALS.htm
   (5)日本救急医療財団 心肺蘇生法委員会 監修 改訂3版 救急蘇生法の指針 市民用 へるす出版
      http://www.herusu-shuppan.co.jp/osirase/shishin_yotei.html

[8]参考リンク
(01)日本で購入できる3種類のAED 日本循環器学会日本心臓財団
  http://www.jhf.or.jp/kenkoheart/image/aed/heart_aed.pdf
(02)非医療従事者によるAEDの使用と医師法との法的整理
  http://www.mhlw.go.jp/shingi/2004/03/s0318-8b.html
(03)非医療従事者による除細動 大阪府三島救急医療センター
  http://www.osaka-mishima.jp/opinyon.htm
(04)心肺蘇生法(CPR)とAEDの使い方 慶應大学病院
  http://www.med.keio.ac.jp/csl-web/afterAED.html#aed
(05)応急手当のポイント 東京救急協会
  http://www.teate.jp/teate_p13non.htm
(06)AED講習会を開催する講師側の説明書 大阪医科大学
  http://www.osaka-med.ac.jp/deps/emm/aednote2.pdf
(07)AEDの使用とフローチャート 健スポ協
  http://www.health-jp.net/sss_aed.html
(08)AED普及を推進する会
  http://www.aedjapan.com/
(09)羽田空港、旅客ターミナルビルにAED50台を設置
  http://medwave2.nikkeibp.co.jp/wcs/leaf?CID=onair/medwave/tpic/346538

(10)愛娘の突然死−除細動器AED普及推進
  http://sakuraroom.chu.jp/aedFrameset-2.htm
(11)飛行機の中での心停止
  http://www.jstm.gr.jp/pdf/mebio01022.pdf
(12)二相性AEDが単相性AEDより優れている
  http://ops.umin.ac.jp/ops/tech/josaidou/josaidou.html
(13)AEDの海外での価格(日本でのAED価格40〜60万円程度)
  http://www.officek.jp/skyg/col2/archives/2005/03/14_price_of_aed.html
(14)MLリソース:除細動器 defibrillatorの詳細資料
  
(15)AED関連リンク集
  http://drex.jp/aed/
(16)心蘇生成功に必要な3要素 日本臨床麻酔学会 第19回講演
  http://plaza.umin.ac.jp/~GHDNet/00/k7fukui.htm
(17)【特別企画】ファーストエイド&エマージェンシー
  http://homepage2.nifty.com/treknz/first_aid_emergency.html



[9]フィリップス社FR2およびFR2トレーナについて('2006/11/15 追加)

 (以下は、主にAHAの講習会用に調べたものです。)
 ・トレーナーはFR2本体をシミュレートしているので、まずFR2本体の
  動作について調べました。現在、市場に出ているFR2は、ソフトのバージョン
  が3つあります。(トレーナも大きく3つのバージョンが設定可能)
  @今年2006年の秋以前に購入されたFR2でG2000のままのもの
  A同様に購入された後、現場でG2005に変更されたもの
  B同様に購入された後、メーカー預かりで本体をバージョンアップ
   した後、G2005に変更されたもの、或は、秋以降に購入されたもの。
   秋以前のFR2のバージョンは1.5でディスプレイが英語表示、
   秋以降はバージョン1.6で、日本語表示です。
 ・上記、@ABの場合の音声メッセージは以下のようになります。
  http://ailabo.net/aed/FR2/trainer_voice/FR2_Trainer_Voice.html
  トレーナがどの設定になっているかは、電源を入れてショックを1回与えた
  後の音声メッセージでわかります。(約50秒後)
  @は、「患者に触れないで下さい」です。
  Aは、「必要ならばCPRを開始して下さい」です。
  Bは、「必要なら心臓マッサージと人工呼吸をして下さい」です。
  もし、@なら設定用のPCで設定変更が必要です。AとBなら問題なしです。
  (自前のトレーナならAからBへバージョン可能ですが、多分BからAに
   戻せないので、借り物だとそのまま使うしかないと思います。)
 ・次に、CPRタイマーのチェックですが、これは上記のアナウンスの後
  次に「心電図を解析中です」との音声がでるまで待ち、その時間を確認する
  必要があります。2分でなかったら、設定用のPCで設定変更が必要です。
  設定用画面は以下の通りですが、これは設定変更する人だけしか関係ありません。
  http://ailabo.net/aed/FR2/trainer_voice/FR2_Trainer_Config.html

@フィリップス社製FR2トレーナー音声実測
Aフィリップス社製FR2トレーナ 設定PC画面
Bフィリップス社製FR2トレーナ バッテリー交換
(講習会開催時点で8.4V以下のものは、バッテリ低下のアナウンスがでました)
Cフィリップス社製FR2 外観比較
Dフィリップス社製FR2外観
Eフィリップス社製 FR2+ ディスプレイ画面

上記@〜EのPDFファイルは以下の通りです。
http://ailabo.net/aed/FR2/trainer_voice/FR2_Trainer_Voice.pdf
http://ailabo.net/aed/FR2/trainer_voice/FR2_Trainer_Config.pdf
http://ailabo.net/aed/FR2/trainer_voice/FR2_Trainer_Battery.pdf
http://ailabo.net/aed/FR2/trainer_voice/FR2_Trainer_features.pdf
http://ailabo.net/aed/FR2/features/FR2_features.pdf
http://ailabo.net/aed/FR2/display/FR2_Display.pdf



[10]ガイドラインの文献(特にBLSのフローチャートについて)('2006/11/19 追加)

国際ガイドラインのハイアラキー
===================================
ILCOR(国際蘇生連絡協議会)-+--AHA(アメリカ心臓協会)
              +--ERC(ヨーロッパ蘇生協議会)
              +--HSFC(カナダ心臓・卒中財団)
             +--NZRC(オーストラリア・ニュージーランド)
             +--IAHF(中南米)
             +--RCSA(南アフリカ)
===================================
(国際的な機関ICCORでドキュメントをまとめて、AHAやERCはその国の状況に
応じてガイドラインをまとめた。G2005の時は日本は議論参加の立場になし)

@ILCOR=ABCD
AAHA =ABCD
BERC =ACD
C日本 =ABCD(一般市民はA(B)CD)

A=Open Airway(気道確保)
B=initial Breaths(2回の人工呼吸)
C=30 chest Compressions followed by 2 breaths(30回の胸骨圧迫と2回の人工呼吸)
D=Defibrillation(AEDによる除細動)

■@ILCORのCoSTRの原文
http://www.erc.edu/download_gl.php?d=29
このPDFの(55/205)にフローチャートの図があります。
日本語訳
http://www.qqzaidan.jp/qqsosei/costr.htm
以下のPDFの(6/9)のページにフローチャートの訳あり。
http://www.qqzaidan.jp/qqsosei/CoSTR/CoSTR_Part-1.pdf

●AAHAのCirculationの原文
http://circ.ahajournals.org/content/vol112/24_suppl/
この中のPDF
http://circ.ahajournals.org/cgi/reprint/112/24_suppl/IV-19
の(5/17)にフローチャートの図があります。
日本語訳
http://plaza.umin.ac.jp/~GHDNet/05/CoSTR.htm#AHA
この中の、以下に訳あり。
http://plaza.umin.ac.jp/~GHDNet/05/aha-040.htm#d

▲BERCのガイドライン2005の原文
http://www.erc.edu/download_gl.php?d=11
このPDFの(4/186)にフローチャートの図があります。
ERCのガイドライン2005の日本語訳
http://plaza.umin.ac.jp/~GHDNet/05/CoSTR.htm#ERC
この中の
http://plaza.umin.ac.jp/~GHDNet/05/ERC-02.htm
の上の方にフローチャートの図あり。
ALSもACで、AHAのABCのBがありません。
http://plaza.umin.ac.jp/~GHDNet/05/ERC-04.htm#c

★C日本のガイドライン(確定版)
http://www.qqzaidan.jp/qqsosei/guideline_BLS.htm
成人BLSのフローチャート
http://www.qqzaidan.jp/qqsosei/guideline/algorithm_a.pdf
一般市民用のフローチャート
http://www.qqzaidan.jp/qqsosei/guideline/algorithm_c.pdf




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